あらかじめお断りしますが、前回の「品性」で「自制心」がキーワードと記しましたが、都合によりキーワードを「克己」に変更します。
大辞林 第二版 (三省堂)によると、克己とは「自分に打ち勝つこと。心の中に起こる衝動・欲望を意志の力によっておさえつけること。」となっています。
「武士道」には、これを特徴付けるものとして「サムライは、感情を顔に出すべからず」とあります。
なぜ感情を顔に出してはいけないのか?「勇」でも触れましたが、武士道では心の平静を保つことが重視されます。それは、戦いの場面で敵に自分の考えていることを悟られないようにするためだと思います。
したがって、克己の理想は心の安らかさを保つことでした。ではもし、心の安らかさがかき乱された時、サムライはどうしたのでしょうか?
それは「笑い」でした。どちらかというと「微笑み」だとは思いますが、これは心の平衡を取り戻す努力をしつつも、それを他人に対しては隠す役目を果たしたといいます。
よく外国人から、「なぜ日本人は失敗したり、おかしくもない時に笑ったりするのか?」と指摘されることがありますが、どうやらここに理由があったようです。
自分に打ち勝つことは、並大抵の努力では成し得ないことだと思います。そして、この修養の結果は死を迎えるとき、特に切腹の場面ではっきりと現れたようです。
次回は「切腹」について述べたいと思います。



















