大辞林 第二版 (三省堂)によると、名誉とは「すぐれていると認められて得た尊厳。体面。面目。」となっています。
「武士道」では、「名誉は武士階級の義務と特権を重んずるように、幼時の頃から教え込まれるサムライの特色をなすもの」であったようです。
「誠」の項で述べたように、不誠実=不名誉であることから、逆説的に言えば誠実なことは少なくとも名誉を守るためには絶対必要な条件だったのでしょう。
実は、「正直」のラテン語とドイツ語の語源は「名誉」と一致するそうです。それ程「誠」と「名誉」は分かつことが難しいほど密接な関係があるのです。
サムライの幼時教育の一つとして、名誉に訴えるやり方があったそうです。つまり、「羞恥心」という感性を大切にすることで、少年の間違った振舞いを正そうとしたのです。
また、「武士道」では「名誉(=名声)はこの世で最高の善である」とも書かれています。恥となることを避け、名(=名声)を勝ち取るためにサムライの子はいかなる貧困をも甘受し、肉体的・精神的苦痛のもっとも厳しい試練に耐えたといいます。それは、若年のころに勝ち得た名誉は、年が経つにつれて大きく成長したからだそうです。そして、名誉や名声が得られるならば、命は安いものだとさえ思われていました。
このことは、「切腹」は武士の名誉と言われる根拠ではないかと思います。「切腹」については、また後日触れる予定です。



















