大辞林 第二版 (三省堂)によると、品性とは「道徳的価値としての性格。〔character の訳語〕 」となっています。
「武士道」では、「知恵、慈悲、勇気が三本柱であるが、これらに秀でることが武士としての品性を高めることになる」というのが概略です。
また、武士にとって算術は邪魔なものだったようです。損得勘定は武士道に反するため、むしろ通貨の交換価値を知らないことが、育ちの良さの証とされたようです。戦略戦術に使うべき知恵は重要ですが、報酬を計算する能力はかえって邪魔だったということでしょうか。
また、武士道では、無償・無報酬で行われる実践のみを信じました。例として、精神的な価値に関わる仕事(僧侶・神官・教師など)は、その報酬は金銀で支払われるべきものではありませんでした。それは、価値が計れないほど貴いものとされたのです。とはいえ、このような人々は、一年のある時季に弟子らから感謝の意を表すものとして、金品を受け取っていたといいます。実のところ、贈られた側は大いに助かったといいます。なぜなら、彼らは働くにはあまりにも威厳がありすぎ、物乞いするにはあまりにも自尊心の強い人々だったからです。
僧侶・神官・教師などは、逆境に屈することのない、高貴な精神の権化であったといいます。彼らはまた、自制心の生きた手本でもあったというのです。この「自制心」は、次なる武士道のキーワードです。
なお、武士道において算術が嫌われたことのメリットとして、武家政治では金銭に由来する悪徳から免れたことがあります。この点は、現代政治にも取り入れられないものかと、切に願うところです。



















